子供のアトピー性皮膚炎の症状と原因、対処方法について

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こんにちは。
アサノパパです。

今回は子供のアトピー性皮膚炎に対しての話です。
子供も私自身もアトピー持ちで、過去にアトピーに対して色々と調べました。
色々と書くことがあるので長くなりそうですが、興味ある方はお付き合いください。

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アトピー性皮膚炎の概要

皮膚炎

アトピー性皮膚炎は皮膚に慢性的疾患が発生する病気です。
主な症状としては、以下になります。

・皮膚の乾燥
・皮膚のかゆみ
・皮膚の炎症
・滲出液の発生

子供でアトピーの症状が発生しやすいのはだいたい決まっており、顔、頭皮の生え際、首、わきの下、ひじ・ひざの裏に発生しやすいです。
重症の場合は全身に炎症が現れます。
また、病状は生活や季節の変化に合わせて良くなったり悪くなったりを繰り返します。

アトピー性皮膚炎の原因について

まず大前提としてアトピーの原因は人によって異なります。
アトピーの原因について例えば「食生活の偏り」とすべてのアトピー患者向けに断言されている方が色々と見受けられますが、半分正解で半分間違いです。
確かに当てはまる人もいれば、そうでない人もいます。
かゆみが起こるしくみは複雑で、人の体質も様々であるため一概には決まりません。

ただし、よくあるアトピーの原因としては幾つか挙げることができ、それは以下の通りです。

・神経異常
・内臓虚弱
・アレルギー

神経異常

かゆみを伝える神経に異常があった場合は、脳へ伝えるかゆみの信号を増幅させてしいまい少しの刺激でかゆみを感じてしまいます。

かゆみの情報は皮膚から神経を経由し脊髄、視床下部、脳へと伝達されます。
例えば、皮膚が乾燥して何らかの刺激があった場合は、神経、脊髄、視床下部を経由し脳までその情報が伝達され、かゆみを認知します。
その結果、皮膚をかいたり我慢したりとそれぞれの行動を起こします。
逆にちょっと物がかすった程度の刺激の情報が脳へ伝達された場合にはかゆみとは認知されません。

ここで、脊髄、視床下部の神経に異常が発生した場合は、神経を通る中で刺激情報が増幅されてしまいます。

医学に詳しい方であれば、”アストロサイト アトピー”で調べてもらえば関連する最近の研究がでてきますが、神経が過敏な異常状態になっていると、少し衣服が擦れただけでもかゆみ信号を神経の中で増幅してしまい激しいかゆみと脳に伝えてしまいます。

ここでいう神経の過敏な状態は、骨格・神経の異常や未発達による神経圧迫が主であると考えられています。
例えばかゆみを伝達する神経の中で特に重要な脊髄神経は背骨の周りや中を通っています。
もし背骨に歪みがある子は、その歪みに応じて脊髄神経も圧迫されることになり、神経内でかゆみ信号の増幅が行われ激しいかゆみを引き起こします。

内臓虚弱

皮膚の炎症やかゆみに大きく関連する内臓が弱っていると、皮膚の炎症やかゆみにつながります。
ここでは皮膚に大きく関連する大腸と副腎について代表して解説します。

大腸の弱り

大腸は皮膚と深く関係しています。

食べた物全て栄養になったり、便として外に排出すれば良いですが、実際はそういうわけにはいかず、一部の成分は体内に残り不要な毒素となります。

その毒素は正常な処理として肝臓にて解毒が行われますが、肝機能が低下したり、処理能力の限界まで毒素をためこんだり、またアレルギーで腸に穴が開いた場合には、毒素が血液に流れてしまい、やがて皮膚の表面に現れかゆみやニキビとなります。
つまり、腸で正常に消化できないものは毒素になるわけですが、この消化能力は腸内の細菌環境(腸内フローラ)によります。

腸内には100種類以上の細菌が存在し、これらは主に消化を助ける善玉菌と消化を阻害する悪玉菌に分けられます(どちらにもなりうる中立的な日和見菌も存在しますがここでは割愛します)。
悪玉菌が善玉菌に対して優位になると腸の消化が悪く毒素がたまることになり、結果として、皮膚のかゆみやニキビ等に現れるということです。

この腸内環境は日ごろの食生活や運動量、また大腸自体の成長で大きく変化します。
ラーメンや焼き肉などの脂っこいものばかりを摂っていたり、テレビゲームやスマホばかりで運動不足になっていると腸内環境は悪化します。

副腎の弱り

副腎が弱るとかゆみを抑制する「副腎皮質ホルモン」という成分が少なくなり、かゆみを引き起こしやすくなります。

副腎が弱りやすい原因としては、副腎自体が未発達の子や脊髄周辺の骨格に異常がある場合は副腎が弱りやすいです。
脊髄の中間に胸椎と呼ばれている部位がありますが、胸椎9番周辺(下の画像のT9)の神経は副腎に繋がっており、胸椎の9番周辺が歪むと副腎が正常に副腎皮質ホルモン(ステロイド)を分泌できなくなります。

胸椎

アレルギー

アレルギーの一部で体全体のかゆみに繋がることがあります。

まずアレルギーとはそもそも何なのかですが、体の中に有害なウイルスや細菌が入ってきたときに、体内にはそれらをやっつけようとする抗体がつくられます。
一般的に、この機能を「免疫」と呼んでいます。
抗体はウイルスや細菌だけではなく、本来害はないはずの食べ物や物質(アレルゲン)でも生成されることがあり、これをアレルギー反応と呼びます。

体がアレルゲンに反応した場合、これらをやっつけようとする「IgE抗体」というものが体内に生成されます。
通常、食べ物を摂取しても消化管や免疫細胞等の何段階もある防御が働いてIgE細胞が生成されないようなしくみになっていますが、アレルギーの人はその防御が体質的に弱くIgE細胞が生成されやすいんです。

IgE抗体が生成された後にさらにアレルゲンを摂取すると、IgE細胞がアレルゲンに抗おうとヒスタミン等の化学物質を急激に放ちます。
ヒスタミンを神経が感知すると、脳にかゆいと伝達してしまい、結果としてかゆみになります。

では、なぜアレルギーの発症は人によって差があるのでしょうか?

前述したとおり、アレルギーの発症(IgE抗体の生成)は消化管や免疫機能等の防御機能によります。
例えば、免疫機能で言いますと、Th1細胞、Th2細胞というものがあります。
Th1細胞はウイルス・細菌に対する免疫細胞であり、Th2細胞はアレルゲンに対する免疫細胞です。
このTh1細胞とTh2細胞のバランスにより、その人の免疫体質が決まります。
Th1細胞優位の人はウイルス・細菌に対して強く、逆にTh2細胞優位の人はアレルギーになりやすくなるのです。

このTh1細胞とTh2細胞のバランスは主に遺伝やその人が過ごしてきた環境に依存するため、人それぞれで違いが出てきます。
また、人が生まれた際にTh1細胞とTh2細胞のバランスは既に決まっており、基本的にTh2細胞有利で生まれてくるのですが、その有利の程度は個人差があります。
大きくTh2細胞有利で生まれればアレルギーになりやすく、その後の環境次第ではアレルギーを発症しやすくなるということです。

アトピー性皮膚炎の良い対処法について

アトピー性皮膚炎の良い対処方法は確立されたものはありません。

一般的にに対症療法としてステロイド剤を用いて炎症やかゆみを抑えることができますが、これは一時的に症状を和らげているだけで根本的な解決にはなりません。
根本的な解決を模索した民間療法が幾つかWeb上に広まっていますが、確立された情報ではないので試す場合は個人責任になります。

ステロイド剤について

ステロイド剤の役割

ステロイド剤は体の炎症や免疫力を抑えてくれます。

単に”ステロイド”というと、副腎からつくられる「副腎皮質ホルモン」の一つを指します。
このホルモンは血液により全身に回り、免疫機能や代謝機能等に作用し、体を正常な状態に維持しています。

ステロイド剤はこの副腎皮質ホルモンをベースに作られえています。
要は人工的に副腎皮質ホルモンを生成することで、免疫機能を抑えたり、炎症を抑えたりできるんです。

ステロイド剤の副作用

ステロイド剤の副作用は多岐に及びます。

個人的に治療過程で特に注意した方がよいと思うのは、カビ(真菌)や水いぼが発生しやすいことと、また副腎から天然の副腎皮質ホルモンが発生しにくくなることです。
前者のカビや水いぼが発生しやすくなる理由としては、ステロイド剤を塗った個所は免疫機能が抑えられるため、カビや水いぼ等の菌に対する免疫も抑えられるためです。
これに対するケアとしては、塗ったステロイド剤をお風呂でしっかり落とすことと、保湿剤に抗菌成分を混ぜることです。

後者の副腎から天然の副腎皮質ホルモンが発生しにくくなるについては、ステロイド剤を使用すると、副腎が体内の副腎皮質ホルモン量が増えたのを知り、副腎自身が出すホルモンを抑えようと調整します。
ここでもし急にステロイド剤をやめた場合、副腎の出すホルモンはすぐには増加せず、急激なかゆみが襲ってきます。
これが、よく言われるステロイド剤を急にやめてはいけない理由です。

アトピーに対するステロイド剤の有効性

前述のとおり、アトピー患者に対するステロイド剤は単に皮膚の炎症やかゆみを抑えるだけであり、原因そのものを解決する役割はありません。
また前述した副作用の懸念もあり、ステロイド剤に対しては賛否両論あります。

ただし、私はアトピー患者に対してのステロイド剤は賛成です。
ただし、「対症療法として」の限定付きです。
それなりに悪化しているアトピーの子は皮膚が真っ赤でボロボロになり、絶え間ない強烈なかゆみが襲ってきます。
そうなってしまうと普通の生活を送ることが難しくなり、それを救うためにまずはステロイド剤しかないと考えています。
アトピーの対症療法としてはステロイド剤が一番であり、代替できるものはありません。

ただし、ステロイド剤を使用する際には、使用量、使用方法、特性を正しく把握し、正しく使用することが大切です。
前述のとおり、ステロイドの副作用には注意が必要で、注意しないと、別要因でかゆみが発生し複雑な症例になっていまい、完治にさらなる時間がかかってしまいます。

原因療法について

Web上にはアトピーの原因から治すために有効と推定される原因療法に近い療法が幾つか存在しています。
ただし、これらのすべては医学的な証明が無いため治る確証はありません。
ここではどんな療法があるかを幾つか軽く紹介する程度にしておきます。
試される方は自己責任にて調べた上で実施をお願いします。

・アレルゲンの除去
⇒かゆみがアレルゲンから引き起こされる子には効果があります
・食生活の改善
⇒腸内フローラを改善する療法
・足つぼマッサージ
⇒足つぼを刺激し内臓虚弱を改善しようとする療法
・整体
⇒骨格異常を整体にて矯正する療法
・CBDオイル
⇒免疫の異常をカンナビジオールという成分にて抑える療法

病院受診について

現在の病院の多くは、一時的に症状を軽減することはできても、病院のおかげで完治することはなかなか難しいです。
なぜかというと、病院の標準療法はステロイド剤の投与とその量のコントロールのみであるからです。

上述したとおり、アトピーの原因は医学的に解明されていません。
つまり、原因に直接働く医学的根拠がある原因療法は存在していません。
そのため、病院側としては患者の安全面(リスク)を考慮した場合、医学的根拠のあるステロイド剤に頼るしかできないのです。

ただし、ステロイド剤を塗っているだけでいつの間にか完治しているケースもあります。
これは隠れていた根本的な原因が知らないうちに取り除かれたためです。
例えば、元々内臓が未熟のためアトピーになっていた子が、時が経つにつれ内臓が成長したためアトピーが完治したり、新築に引っ越しを行いダニやほこりのアレルゲンが取り除かれたため完治したりと。

また、一部の病院では独自の研究の上で、その病院独自の療法を提案してくれるところもあります。
この療法に頼ることで完治する可能性はありますが、医学的に証明はできていないので治る確証はありません。

アトピー性皮膚炎は完治するのか

正常な皮膚

アトピーは完治します。

アトピーは現代病と言われています。
50年前はアトピー患者は稀でアトピーという言葉はあまり認知されていませんでした。

下のグラフを見てください。

アトピーグラフ
(引用:NPO 日本健康う増進支援機構 榎本雅夫氏作成)

アトピー患者は1965年頃より激増し、その後アトピーというー言葉が広まります。
1965年代付近の時代といえば、人々の生活が大きく豊かになりました。
高度経済成長のあおりを受けて、便利なもの多く発明されたり、これまで入手困難だった食品や製品を安定して入手できるようになりました。
この豊かさの代償として、アトピーは人々を悩ませることになります。
また、現代においても先進国は小児の約20%にアトピーやアレルギー疾患がみられるのに対し、発展途上国はほとんどアトピー患者はいません。

この事実を裏返せば、今の日本人の何かが昔の日本人のように、または発展途上国の人のように変わればアトピーは治るということです。
今は原因がわかっておらず簡単には治せない病気となっていますが、確実に完治できる病気だと思っています。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。
本日は子供のアトピーについて長々と書かせて頂きました。

アトピーは豊かさが生んだ魔物です。
これからさらに人の豊かさが膨らむにつれアトピー疾患率も高くなる可能性はあります。
ただし、その一方で医療技術も進みアトピー完治率は高くなる可能性も十分あるので悲観する必要はありません。

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